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統合失調症に対するメタ認知トレーニング


特に妄想などの陽性症状に対して気づきを促すのに有効と言われている“メタ認知トレーニング”という手法があります。


今回は、このメタ認知トレーニングに関して複数の論文をまとめた分析(メタアナリシス)をご紹介します。


精神病に対するメタ認知トレーニングの短期・長期的結果と影響する因子


メタ認知トレーニングに関する研究43本(1,816人の参加者を含む)が分析の対象となりました(3本の語りを重視した質的研究を含むと46本)。


結果として、以下の内容が示されました。

①従来から効果が指摘されている妄想・幻聴・認知のゆがみについては明らかに有効でした(例:妄想について効果の量を示すg = 0.69)。

②その他、自尊心・陰性症状・遂行機能についても、効果を認めていました(例:陰性症状についてg = 0.23)。

③これらの効果は概ね1年経過しても継続していました。

④影響を与える因子については、幻聴への効果について、論文の発表時期の影響を認めましたが、その他は明らかではありませんでした。


つまり、“メタ認知トレーニングは陽性症状を中心として広範な症状改善に有効で、長期的に効果が持続する可能性がある”と言えそうです。


日本でも統合失調症への効果が話題となっているメタ認知トレーニングですが、より広く実施できるようになることが期待される内容でした。

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