統合失調症の再発を予防するためには、当初の症状を落ち着けるために必要だった用量を続けたほうが良いのでしょうか? それとも、減量したり、中止しても大丈夫なのでしょうか?
今回は、このような統合失調症の再発予防に関する方針について比較した研究(メタ・アナリシス)をご紹介します。
症状が安定している統合失調症に対する抗精神病薬の継続、減量、変更、中止について
大部分がRCT(ランダム化比較試験)である98本の研究(13,988人の参加者: 平均38.8歳を含む)が分析の対象となりました。
症状としては安定している統合失調症について、再発予防のための方針を、以下の選択肢で比較しました。
a. 薬剤を急性期で必要だった量で継続する
b. 他の抗精神病薬に変更する
c. 抗精神病薬を減量する
d. 中止したり、偽薬に置き換える
結果として、以下の内容が示されました。
①中止よりも、他の選択肢が再発リスクを軽減していました。相対的リスクは継続0.37、変更0.44、減量0.68)。
②継続と変更は再発リスクが大きく変わりませんでした。
③継続や変更は減量するよりも再発リスクを軽減していました(相対リスクは継続0.55、変更0.65)。
つまり、“統合失調症の再発予防について、再発リスクが少ない順に薬物療法の方針を並べると、継続≒変更>減量>>中止 である ”と言えそうです。
概ね予想通りではありますが、副作用と個別性に留意して、方針については本人や主要な援助者と相談しながら決定していく必要性があると感じました。
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