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統合失調症の症状寛解と脳内ネットワーク

執筆者の写真: もりさわメンタルクリニックもりさわメンタルクリニック

統合失調症の経過にも様々な状態が存在し、中には初めて症状が現れてから、薬物治療をほとんど行わずに一定期間の後、寛解状態となることがあります。


今回は、このような寛解状態の時、その後、脳内のつながり(ネットワーク)に特徴があるのか調べた研究をご紹介します。


初発における症状寛解と脳皮質ネットワーク


精神症状のエピソードが初回で、全くかほとんど薬物療法を受けていない167人が研究の対象となりました。


最初の病期で寛解状態を迎えてから間もなく、4週後、22週後、74週後の脳内ネットワークの状態をMRI画像を用いて調べました。


結果として、最初のうちは寛解状態と症状が出現した場合との違いが明らかではありませんでしたが、74週では寛解を維持している場合と途中で症状が出現した場合とで当初の脳内ネットワークの違い(前頭葉・前帯状皮質・島皮質の接続レベルが低い)が明らかとなりました。


つまり、長期的に寛解を維持できる場合では、当初より脳内ネットワークの接続が良好であるということが言えそうです。


脳内ネットワークの評価に関する論文が増えていますが、このように脳の接続を評価することで経過の予測がつくと、より個別化した治療が行える可能性があるように感じました。


#統合失調症

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