腸内の細菌叢と認知症やうつ等、精神疾患との関連が指摘されてきました。
今回は、繊維質と発酵食品で、腸の細菌叢や炎症マーカーに与える影響を調べた研究をご紹介します。
腸内細菌叢を標的とした食事で免疫反応の調節ができる
対象者をランダムに18人ずつに分けて、一方のグループは繊維質を多く(最低1日に21.5g)摂取し、もう一方のグループには発酵食品(昆布茶・ヨーグルト・キムチ等)を多く摂取して、腸内環境や免疫反応について調べました。
結果として、以下のことが示されました。
①腸内細菌叢に関しては、繊維質を多くとったグループでは酵素の機能が高まっていましたが、細菌の多様性に変化はありませんでした。一方、発酵食品をとったグループでは、細菌の多様性が増加していました。
②免疫反応に関しては、繊維質を多くとったグループでは共通の変化はなく、発酵食品を多くとったグループでは炎症マーカーが低下していました。
つまり、“腸内細菌叢の多様性を増したり、炎症反応を抑えるためには、繊維質よりも発酵食品のほうが有用であるかもしれない”と言えそうです。
繊維質も発酵食品もそれぞれのメリットがあるのかもしれませんが、今回は発酵食品のメリットが目立つ結果でした。
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