前回まで、職業的身体活動が認知症リスクに与える影響について、お伝えしてきました。
今回は、職業的身体活動が循環器疾患(心臓発作、卒中、狭心症等)に与える影響を調べた研究をご紹介します。
Occupational physical activity and cardiovascular disease in the United States
合衆国における職業的身体活動と循環器疾患
2015年にアメリカで行われた全国規模の調査(2015 National Health Interview Survey)のデータを元にした研究で、16,974人が対象となりました。
以下のような質問を行い、職業的身体活動を点数化しています。
(1) 繰り返し持ち上げたり、押したり、引いたり、曲げたりの動作を行いますか?(職業的労作)
(2) 立ったり、歩き回ったりしていますか?(職業的立位・歩行)
結果として、以下の内容が示されました。
・職業的労作が高い(常に負荷の高い活動をしている)場合には、(全くそのような活動がない場合と比較して)循環器疾患のリスクが2.15倍となっていました。
・常に立ったり歩き回ったりしている場合には、(全くそのような活動がない場合と比較して)循環器疾患のリスクが1.84倍となっていました。
要約:『職業的身体活動は(余暇における身体活動とは異なり)循環器疾患のリスクを上昇させるかもしれない』
前回までにお伝えしてきた認知症リスクに対する影響と、共通のしくみを持っている可能性も考えられました。
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