肝酵素の遺伝子型によって向精神薬の必要量が異なるか?


薬物は肝臓の酵素によって違う物質に変えられ(代謝され)る準備段階を経て体外に排出されます。よって、この酵素の働きの程度が高いか、低いかによって、この段階の効率に差が生じます。


この酵素の働きについては個人差があり、遺伝子のタイプ(遺伝子型)によって働きの程度が推測可能となっています。


今回は、遺伝子型でグループ分けした肝臓の酵素の働きによって、薬の血中濃度がどのように影響を受けるか調べた研究(メタ・アナリシス)をご紹介します。


Intermediate Metabolizer Status With Antidepressant and Antipsychotic Exposure

A Systematic Review and Meta-analysis

代謝効率による抗うつ薬・抗精神病薬暴露の違い


基準を満たした94の研究(8379人)が分析に含まれました。


遺伝子のタイプによって、肝酵素の働きがが低い人(PM: poor metabolizer)、中間の人(IM: intermediate metabolizer)、普通の人(NM: normal metabolizer)に分けています。


薬物暴露(定常状態の血中濃度で測定)の増加が認められたのは以下のような場合でした。

CYP2D6(肝酵素の種類)がPMかIM:リスペリドン、アリピプラゾール、ハロペリドール

CYP2C19がPMかIM:エスシタロプラム、セルトラリン


つまり、肝臓の酵素の働きが低い遺伝子型の方では、薬物の量を調整しないと暴露が多過ぎで、思わぬ副作用を招く可能性があると考えられました。

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