◎要約:『生まれる年代が遅くなるつれて、徐々に高齢者の脳体積は増大している可能性がある』
今回は、人口全体の脳の体積が生まれた年代ごとで異なる傾向があるのではないかという内容の研究をご紹介します。
Trends in Intracranial and Cerebral Volumes of Framingham Heart Study Participants Born 1930 to 1970
フラミンガム・ハート・スタディにおける1930から1970年にかけての頭蓋内・大脳体積の傾向
フラミンガム・ハート・スタディという大規模な虚血性心疾患の研究を元にしており、1930~1970年代に生まれた認知能力低下のない3,226人(平均57.7歳、53%が女性)が対象となりました。
結果として、以下の内容が示されました。
・1930年代生まれから、1970年代生まれまで、頭蓋内体積、脳の各所の体積を調べてみると、後の年代ほど体積が増大する傾向があった。
・例として、頭蓋内体積で示すと1930年代生まれに比べて1970代生では6.6%(1237mL)の増大があった。
・同様に、1940年代生まれと1950年代生まれを比較しても、増大傾向が認められた。
論文中では生まれた年代による生育環境の違いの影響が指摘されていますが、認知症に対しては発症を抑制する方向に作用することが期待される内容でした。
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