ADHDに対しては、生活上の工夫が重要であると言われますが、治療としては中枢刺激薬等の薬物療法が行われることがあります。
今回は、ADHDや脳震盪後遺症等に脳のトレーニング(ブレイン・フィットネス・プログラム)が有効かを調べた研究をご紹介します。
Benefits of a 12-Week Non-Drug “Brain Fitness Program” for Patients with Attention-Deficit/Hyperactive Disorder, Post-Concussion Syndrome, or Memory Loss
12週間の非薬物療法(ブレイン・フィットネス)のADHD、脳震盪後遺症、記憶障害に対する有効性
子どもと大人を含む、ADHD71人、脳震盪後遺症88人、記憶障害(軽度認知障害等)64人が対象となりました。
認知機能訓練、生活スタイルに関するコーチング、脳波を用いたフィードバックを含むプログラムを週2回、12週間行い、影響を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・言語的記憶や注意機能等の認知的側面、不安や気分等の精神的側面、睡眠や食事等の生活上の側面、全ての尺度でプログラム開始前よりも改善を認めました(特に脳震盪後遺症での改善が大きくなっていました)。
・60%が認知機能テストでは改善を示し、90%で認知・感情的症状の改善を経験していました。
・全ての疾患で、遂行機能における改善が最も大きくなっていました。
要約:『脳のトレーニング・プログラムで脳の機能性疾患(ADHDや脳震盪後遺症等)の機能障害や症状が改善する可能性がある』
今回実施のプログラムは広範な内容を含んでいるので、特にどの要素が効果的だったのか興味の湧く内容でした。
もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/
rTMS治療:
YouTubeチャンネル(オンライン講座):https://www.youtube.com/channel/UCd8RS50q_Ol_x82AL9hhziQ
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