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脳出血後の抗うつ薬使用と再出血の危険性

執筆者の写真: もりさわメンタルクリニックもりさわメンタルクリニック

脳出血等の脳血管障害のイベント後にうつ症状が出現することがあります。


今回は、脳出血後に出現したうつ症状に対して抗うつ薬(SSRI)を使った場合の症状軽減や再出血のリスクについて調べた研究をご紹介します。


脳出血後の抗うつ薬(SSRI)使用と再出血・うつ症状の関連


最初の脳内出血の後、無事に退院した1279人(平均71.3歳、602人が女性)が調査の対象となりました。


結果として、以下の内容が示されました。

①抗うつ薬(SSRI)の使用は再出血の増加(ハザード比:1.31倍)と関連していました。

②抗うつ薬(SSRI)の使用はうつ症状の寛解(1.53倍)にも関連していました。

③また、局所の出血、アポリポタンパク質遺伝子の変異、脳内出血や脳梗塞の既往等のリスクファクターを伴う場合には、抗うつ薬(SSRI)を使用した場合、さらに再出血のリスクが増加(ハザード比:1.79倍)していました。


つまり、抗うつ薬(SSRI)を使用すると、うつ症状に対する効果はあるが、再出血の危険性が高まる可能性がありそうです。


脳血管障害後に出現するうつ症状の治療に関しては、重症度や再出血のリスクファクターを考慮しながら、抗うつ薬の使用に関して慎重に考慮する必要性を感じました。


#脳血管障害 #うつ病

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