◎要約:『脳性麻痺に関しては、行動や衝動に関する障害、不安が多く、うつや希死念慮も一定の合併率が推測されるが、見逃されている可能性がある』
今回は、主として脳性麻痺に罹患した小児・青年においてどのような精神状態に関する診断が多いのか、定型発達やその他の慢性疾患との比較で調べた研究をご紹介します。
脳性麻痺や慢性疾患、定型発達の小児・青年における精神状態
Mental Health Diagnoses Risk Among Children and Young Adults With Cerebral Palsy, Chronic Conditions, or Typical Development
2010~2022年におけるアメリカ中西部の疾患登録データを元にした研究で、脳性麻痺・慢性疾患・定型発達の216,794人(0~21歳)を対象としています。
結果として、以下の内容が示されました。
・脳性麻痺の診断があった時、非常に幅広い精神疾患の診断が認められており、特に行動や衝動に関する障害や不安に関する障害が多くなっていました(例:不安について脳性麻痺23%、慢性疾患9%、定型発達18%)。
・うつ病や希死念慮に関しては、脳性麻痺との合併が少なくなっていましたが、これは診断の機会が少なくなっていることが考えられました。
特にうつや希死念慮の診断においては、訴えやサインをどのように捉えるかが重要であると思われました。
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