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執筆者の写真もりさわメンタルクリニック

脳画像で認知症の発症予測ができるか?

◎要約:『デフォルト・モード・ネットワークの接続不良は、認知症の発症を比較的正確に予測し得るかもしれない』





今回は、今までとは異なる手法の画像検査(デフォルト・モード・ネットワークを調べる手法)で、認知症の発症が予測できるのかを調べた研究をご紹介します。


Early detection of dementia with default-mode network effective connectivity


イギリスの大規模な生体データ UK Biobankを元にした研究で9年までの経過観察を行い、認知症を発症した81人と1,030人の健常群を調査の対象としています。


デフォルト・モード・ネットワーク:default-mode network (DMN)は特に何かに注意を向けているのではない状態で、「初期状態 デフォルト」で働いている脳の回路を意味しますが、この回路の有効な接続を調べることで認知症発症の予測を行っています。


結果として、以下の内容が示されました。


・DMNの接続不良は認知症の発症と発症時期を比較的正確に予想しており、今までの脳の構造と機能的接続からの予測を上回っていました。


・DMNの接続不良は、アルツハイマー病の遺伝的素因や社会的孤立と明らかな関連性を持っていました。



負担のかからない方法で、認知症のリスクや発症時期を予測できるならば、予防の対策が取りやすくなる可能性があると思われました。

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