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◎要約:『(説明した上での)偽薬投与で慢性の疼痛が、精神的症状とともに緩和される可能性がある』
今回は、慢性の腰痛に対する、偽薬であることを説明した上での生理食塩水の皮下注射がどのような効果があるのかを調べた研究をご紹介します。
慢性腰痛に対する(説明をした上での)偽薬投与、機能的画像による検証
Open-Label Placebo Injection for Chronic Back Pain With Functional Neuroimaging
A Randomized Clinical Trial
慢性的腰痛のある101人(平均40.4歳、51.4%女性)が対象となりました。
偽薬であることを説明したうえで、腰部への生理食塩水皮下注射を通常の治療に追加する方法を行いました。
結果として以下の内容が示されました。
・注射後には痛みの軽減を認めました(10段階で平均0.61)。
・1年後の経過観察では、痛みの軽減は維持されていませんでしたが、うつ症状や怒り、不安、不眠に関しては、通常治療だけよりも改善していました。
・脳の機能的画像で、痛みに対する腹内側前頭前野等の活動増加、視床等の活動低下を認めていました。
脳の機能的にも、痛みを緩和する神経経路が偽薬の投与によって活性化する可能性を示す内容となっていました。
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