腸内の細菌がどのような分布を示しているかによって、そこで産生されている物質が異なり、それが脳に影響を与えるのではないか?という指摘があります。
逆に、脳の状態が腸内の細菌分布(腸内細菌叢 ちょうないさいきんそう)に影響を与えるのではないかという議論もあります。
今回は、腸内細菌叢の構成を調べることによって、まだ症状の出現していない初期の段階でアルツハイマー病の指標が得られるのではないか、という内容の研究をご紹介します。
Gut microbiome composition may be an indicator of preclinical Alzheimer’s disease
腸内細菌叢の構成が症状のないアルツハイマー病の指標になるかもしれない
認知能力が性状の164人が研究の対象となり、このうち49人については他の生物学的な指標でアルツハイマー病の兆候が確かめられていました。
検便により腸内細菌叢の構成を調べたところ、次のような内容が示されました。
・他の生物学的な指標でアルツハイマー病が確認されている場合とそうでない場合では、腸内細菌叢の構成が異なっている。
・腸内細菌叢の変化は、アルツハイマー病の原因物質とされるβ-アミロイドやタウ蛋白の蓄積と関連していました。
要約:『アルツハイマー病の症状が現れない初期段階において、腸内細菌叢の構成が変化している可能性がある』
脊髄液や血液検査よりも、簡便でコストのかからない方法でアルツハイマー病初期のスクリーニングができる可能性を感じました。
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