最近、精神疾患と腸内細菌叢の関連について注目されています。
日々、私たちの体内では腸内微生物によって多くの化学物質が産生されており、腸は体内に存在する“化学工場”に喩えられることがあります。そして、それらの産生物質の多くが脳の機能と関連していると言われます。
今回は、発達早期の腸内細菌の変化がその後の行動にどのような影響を与えるのか調べた研究をご紹介します。
幼児期における腸内細菌叢の構成とその後の行動変化
オーストラリアにおける研究で、201人の子どもが調査の対象となりました。
1,6,12ヶ月の糞便で腸内細菌叢を調べ、2歳の時に行動に関する調査を行いました。
結果として、12ヶ月時点でのプレボテラ属と呼ばれる細菌の減少が、2歳の時の“不安”と関連していました。
そして、抗生剤の投与が、これに最も影響を与える要因として考えられました。
腸内細菌の変化については徐々に研究がすすんでおり、精神症状に対する影響が示されていますが、必ずしも確定的なものではなく、解釈は慎重に行う必要があると思われます。
ただし、抗生剤の投与については、多くの弊害が指摘されており、腸内細菌の観点からも安易な使用を控えるようにする必要性を感じました。
#腸内細菌
تعليقات