◎要約:『生活空間の緑化状況や自然環境へのアクセスの改善が、精神疾患のリスク低下と関連するかもしれない』
居住地域の自然(緑化)の割合が、精神状態に影響することが以前から指摘されてきました。
今回は、生活空間の自然や自然環境へのアクセスが精神的健康に影響するかを調べた研究をご紹介します。
Ambient greenness, access to local green spaces, and subsequent mental health: a 10-year longitudinal dynamic panel study of 2·3 million adults in Wales
生活空間の自然、自然環境へのアクセスと精神的健康
イギリスのウェールズにおける研究で、16歳以上の2,341,591人が対象となりました。
生活空間における緑や、森林や水辺へのアクセスを調べ、うつや不安などの一般的な精神疾患 common mental health disorders (CMD)との関連を調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・今回用いられた生活空間の緑化指数で0.1ポイント(0~1の尺度)の増加により、精神疾患のリスク(オッズ比)は0.80倍となっていました。
・今回用いられた指標で自然環境へのアクセスについて10%ileの増加と精神疾患のリスク(オッズ比)は0.93倍となっていました。
・自然環境への距離が360m増加するごとに、精神疾患のリスク(オッズ比)が1.05倍となっていました。
生活の利便性とのバランスが難しいところですが、できるだけ生活の中で自然に接することが大切であるようです。
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