物体を逆さにした時に認識しにくくなる現象があり、特にこの効果は人間の顔においてしばしば経験され、倒立顔効果(face inversion effect)と呼ばれます。
通常経験される倒立顔効果が、自閉スペクトラム症でも生じているかを調べた研究をご紹介します。
Investigating the Face Inversion Effect in Autism Across Behavioral and Neural Measures of Face Processing
A Systematic Review and Bayesian Meta-Analysis
行動・神経学的指標を用いた自閉スペクトラム症における倒立顔効果の調査
今回の複数論文の分析(メタ・アナリシス)では1,764人(自閉スペクトラム症899人、定型発達者865人)のデータが含まれました。
結果として、以下の内容が示されました。
・全体として、自閉スペクトラム症では、定型発達者よりも、倒立顔効果が減弱していました(通常の位置と倒立した状態とで、顔の認識に関する差異がはっきりしなくなっていました)。
・自閉スペクトラム症における倒立顔効果の減弱は、(人物の同定よりは)特に感情の読み取りの領域で顕著になっていました。
要約:『自閉スペクトラム症では倒立顔効果の減弱を認める可能性がある』
自閉スペクトラム症では、相手の顔から感情を読み取ることが苦手であると言われますが、通常とは顔面から得られる情報処理に違いが生じている可能性が考えられました。
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