自閉スペクトラム症では、状態像をそのまま診断基準に当てはめて診断すると、しばしばいくつもの精神科的疾患が重複することがあり得ます。
今回は、若年の自閉スペクトラム症(以下、ASDと表記)における重複する合併症に関して調べた研究をご紹介します。
The Heavy Burden of Psychiatric Comorbidity in Youth with Autism Spectrum Disorders: A Large Comparative Study of a Psychiatrically Referred Population
若年の自閉スペクトラム症における精神科的合併症の重い負担
小児領域の精神薬プログラムに紹介されてきた参加者を調査の対象としています。
結果として、以下の内容が示されました。
・紹介されてきた参加者のうち9.3%がASDと診断されました。
・ASDと診断された参加者の方が、非ASDの参加者よりも多くの精神疾患を合併していました(合併数で比較して、ASD 6.4 vs 非ASD 5.2)。
・95%のASDで3種以上の合併症があり、74%では5種以上の合併症がありました。
要約:『若年者のASDでは、多くの種類の合併症が生じている可能性がある』
対象者が紹介されてきたプログラム参加者なので、調査対象の層に偏りがあるかもしれませんが、ASDで複数の合併症を有する場合が多い点は臨床的な実感と一致する内容でした。
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