自閉症スペクトラムに特異的なアミノ酸代謝異常について


自閉症スペクトラム障害について、遺伝子学的な特徴や代謝異常の可能性について指摘されているものの、臨床的に診断の決め手となる血液検査はないのが現状です。


今回は、やや以前の研究(2018年)ですが、自閉症スペクトラムのアミノ酸代謝産物に注目して、特徴的な異常を見出そうとした研究をご紹介します。


Amino Acid Dysregulation Metabotypes: Potential Biomarkers for Diagnosis and Individualized Treatment for Subtypes of Autism Spectrum Disorder

アミノ酸障害による代謝産物:自閉症スペクトラムの診断と個別的治療をもたらすバイオマーカーの可能性


自閉症スペクトラムと診断されている516人の子どもたちと、その比較対象としての年令を合わせた164人が研究の対象となりました。


アミノ酸の濃度を調べ、その種類どうしのバランスを検討し、自閉症スペクトラムに特有の傾向を見つけようとしました。


結果として、グルタミン・グリシン・オルニチンの代謝異常による産物の組み合わせが、自閉症スペクトラムの参加者の16.7%に見つかりました。


そして、これは特異性96.3%、陽性適中率93.5%という検査としての性質を持っていました。


つまり、“今回の研究で自閉症スペクトラムに比較的多く認める代謝の特徴が見つかり、これが見つかった場合には9割以上の確率で自閉症スペクトラムである”と言えそうです。


今までの医学の歴史で、代謝の特徴が分かったことから、診断だけではなく食事内容を工夫した治療につながることも多く、今後の発展が期待される研究でした。

18回の閲覧0件のコメント