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自閉症スペクトラムの子どもが動物に接したときの反応について

執筆者の写真: もりさわメンタルクリニックもりさわメンタルクリニック

自閉症スペクトラムでは対人関係における緊張度や不安が強いことが知られていますが、動物が介在することによりこの点がどのように影響を受けるのか調べた研究(2015)をご紹介します。


動物が社会的な緩衝材となるかもしれない:自閉症の子どもにおける社会的場面における皮膚コンダクタンスの変動


5~12歳の子どもを38のグループに分けました。各グループには1人自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもがいるように配置し、以下のような様々な活動をしてもらいました。


(a) 静かに読書しているとき

(b) 声を出して本を読み合うとき

(c) おもちゃで一緒に遊ぶとき

(d) モルモットを触りながらみんなで遊ぶとき


皮膚の電気抵抗に関するコンダクタンス(高いほうが緊張感が高いと推定)という尺度を測定するリストバンドを用いて、様々な活動におけるコンダクタンスを測定しました。


結果として以下の内容が示されました。

①ASDの子どもはいずれの活動においても、他の子どもよりもコンダクタンスが高くなっていました。

②(d)のモルモットと遊ぶときだけ、ASDの子どものコンダクタンスが低下していました。


つまり、“ASDの子どもはおもちゃなどを用いた普通の遊びでは緊張したままだが、動物が一緒だと緊張が低下して他の子どもとリラックスして関われる”可能性が示されました。


確かに動物と接するときだけ特別リラックスした表情を見せる方がいますが、通常の活動とは異なる効果があるのかもしれません。

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