現在のところ自閉症スペクトラム障害の有病率は1~2%未満とする統計が多いのですが、今回アメリカで行われた調査では地域によって大きな差があるようです。
広く多様な大都市圏における自閉症スペクトラム障害の有病率
まず、ニュージャージー州(アメリカ北東部のハドソン川を挟んでニューヨーク州と接している州)全体では3.6%となっており、アメリカの全国平均(2%未満)よりもかなり高い数値となっています。
さらにその中の一つの地域では5.4%、ある校区で区切った共同体では7%となっていました。
このような大きな差が生まれる背景には、人種や社会経済的な要素が背景にあると考えられています。
例えば、人種に関してはヒスパニック系では自閉症スペクトラム障害の有病率が低いこと(白人に比較して0.6倍)が指摘されています。
逆に、社会経済的には中流階級の多い地域において有病率が高くなること(1.2倍)や、大きな校区で高くなること(1.3倍)が示されています。
これらの要素が多様に組み合わさることによって、地域ごとに大きな差が生じるのではないかと考えられます。
地域ごとに、単に人口のみではない指標に基づいた医療・援助資源が必要である可能性が考えられました。
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