昨日は、成人のバロバプタン(抗利尿ホルモン:バソプレシン受容体阻害薬)の社会性低下に関する効果を調べた研究についてお伝えしました。
今回は、自閉スペクトラム症の子どもに対するバソプレシンの効果についての研究をご紹介します。
鼻腔内バソプレシン投与によって自閉症スペクトラムの子どもにおける社会機能低下が改善する
自閉症スペクトラム障害の9~12歳の子ども30人が対象となりました。
二重盲検と呼ばれる治療者も実薬か偽薬か知らないデザインで、バソプレシン(AVP)の鼻腔内投与を4週間行い、社会性低下等について経過を調べました。
結果として、以下の内容が分かりました。
①社会的な反応性(SRS-2で測定)は、バソプレシンの方が明らかに改善していました。(コーエンのdが1.40で、大きな効果を示す)
②不安や反復行動についても、バソプレシンの方が改善を示していました。
③バソプレシン投与による副作用やバイタルサインの変動はありませんでした。
つまり、“自閉症スペクトラム障害の子どもに対するバソプレシンの鼻腔内投与は、社会的反応性について大きな効果を示す可能性がある”と言えそうです。
昨日は、バソプレシンを邪魔する薬の有効性で、本日はバソプレシンの有効性についてお伝えしました。
両方とも効果を認める点に関しては、不思議な気もしますが、受容体の種類も多様であり、両方の場合で共通の変化があるのかもしれません。
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