以前から自閉症スペクトラム障害が増えているのではないかと言われています。
実際の有病率が上昇しているのか、スクリーニング検査等によって認知される割合が高まったためなのか、理由ははっきりしませんが、統計上の数値が上昇していることは確かです。
今回は、アメリカのCDC(疾病に関する対策を行う機関)が発表した自閉症スペクトラム障害の有病率に関する報告をご紹介させてください。
8歳児における自閉症スペクトラム障害の有病率
タイトルの通り、8歳における自閉症スペクトラム障害の有無について、2016年アメリカの11の州で調査を行いました。
結果の主なものとして、以下の内容が示されました。
①自閉症スペクトラム障害の有病率は54人に1人(1000人につき18.4人)となっていました。※前回:2014は59人に1人(1000人につき16.8人)でした。
②有病率は男児のほうが女児よりも4倍多くなっていました。
③診断された児のうち33%は知的障害(IQ:70以下)を伴っていました。また、24%はいわゆる境界知能(IQ:71~85)の範囲となっていました。
このような有病率の上昇については、スクリーニング検査が広く行われるようになったことによる診断システムの充実が原因であると説明されています。
少なくともこのような短期間での数値の変化は、社会システムの変化によるところが大きいようです。
結果のうち、自閉症スペクトラム障害には知的障害も合併しやすいことにも注意し、支援のあり方を検討する必要性を感じました。
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