入眠困難や中途覚醒(早朝覚醒)等の不眠は典型的な睡眠が障害されるパターンですが、その他にも様々な要因で睡眠の量や質の悪化を認めます。
例えば、以前から睡眠時無呼吸症候群等の睡眠を阻害する疾病(状態)により、高血圧等の身体疾患が惹き起こされることが指摘されています。
今回は良い睡眠パターンによって、狭心症や心筋梗塞等の心臓の血管障害がどのくらい減るのか調べた研究についてご紹介します。
睡眠パターン、遺伝的素因と心臓血管疾病リスクの関連
イギリスにおける研究で385,292人の当初は心臓の血管障害のなかった人たちが調査の対象となりました。
5つの要素を用いた睡眠パターンの指標が新たに作成され、典型的な良い睡眠パターンが定義されました。
それによると、良い睡眠パターンとは、早寝早起き、7~8時間睡眠で、不眠をめったに認めず、いびきをかかず、昼間の眠気もほとんどない場合を言います。
結果として上記のような条件を満たす睡眠がとれていると、平均8.5年の経過観察で35%程度、主要な心臓血管疾病が減少することが分かりました。
また、この集団においては心臓血管のリスクに関する遺伝的素因も調べられており、遺伝的リスク+睡眠パターンの悪化で、最も心臓血管障害の発症が多くなることが分かりました。
不眠や睡眠の質の悪化は、それ自体がつらく、昼間の活動を制限しますが、長期的な身体的合併症の観点からも、良質の睡眠パターンを保つ必要性を感じました。
#睡眠
Comments