認知症治療において、専門的な医療はもちろん大切ですが、特に最近プライマリ・ケア医の役割が大切であると言われています。
それは、早期発見が重要である点からも明らかですが、地域の中で生活する上で、やはり普段からつきあう、かかりつけ医の質が良いほうが、ケア全体の質を向上させるのは当然と言えます。
今回は、プライマリ・ケア医が良質の認知症ケアを提供する時に妨げになり得るものは何か、過去の文献を精査してまとめた研究をご紹介します。
プライマリ・ケア医における良質な認知症ケアへの妨げ
テーマに沿うものとして20の論文が同定され、研究の質を考慮し、さらに分析の対象を16の論文に絞りました。
結果として、以下のような妨げがあることが分かりました。
①患者側に関連のあるものとして、認知機能の低下を認めたくない気持ちや、提案された介護計画を守れないことが挙げられました。
②医師側の関連では、訓練や信頼関係の構築が十分できていないことが考えられました。
③全体のしくみ・制度に関するものとしては、相談の時間や援助サービスが不足している点がありました。
上記の中には、当然予測された内容も含まれていますが、特に①の患者様に関するものについては、様々な制約がある中でも、こうしたことが生じる理由や気持ちに十分配慮して、認知症に対するケアをを提供したいと思いました。
#認知症
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