特に比較的若い年代でがんになった場合に、状況の受け入れが困難であり、心理状態の悪化が懸念されることがあります。
今回は、心理療法の中でもレジリエンス(回復力)に焦点を当てた方法: Promoting Resilience In Stress Management (PRISM)のQOL(生活の質)や希望の保持に対する効果を調べた研究をご紹介します。
若い年代のがん患者における回復力促進の評価
10代が中心のがん患者57人(26人が女性)が研究に参加しました。
ここで行われた心理療法: PRISMは、回復力の4つの領域(ストレス管理、ゴール設定、認知の修正: リフレーミング、意味の創造)に焦点を当てたスキル養成ためのコーチングプログラムです。
結果として、以下の内容が示していました。
①通常の治療のみに比較してQOL、希望、回復力、苦痛の領域で明らかな改善を示していました。
②通常の治療のみよりも大きな改善が24ヶ月の時点でも、維持されていました。
つまり、“がんにかかるような苦境に陥った場合でも、回復力に焦点を当てた心理療法の効果があり、それは維持される傾向がある”と言えるかもしれません。
重篤な身体疾患の治療において、生きることの意味や精神的回復力を重視する必要性を感じました。
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