
今までにも、老齢期の認知症と自動車事故については度々指摘され、注意が喚起されて来ました。
今回は、若年発症の認知症について、自動車事故に関連した入院の発生率を大規模なデータで調べた研究をご紹介します。
台湾における若年発症の認知症と自動車事故による入院の関連
台湾における全国規模のデータを元にしており、40~64歳の成人78,688人を対照としています。
10年間の経過を追跡し、若年での認知症診断があった場合とない場合とで自動車事故による入院が発生するリスクを比較しました。
結果として、以下の内容が示されました。
①自動車事故による入院の発生を人×年で表記すると、若年での認知症有り45.58/10000人年、無し24.10/10000人年であり、リスクの比は1.85倍となっていました。
②特に若い年代で認知症が診断された時(40~44歳では3.54倍)、診断から早期(診断から1年以内で3.53倍)で特にリスクが高くなっていました。
つまり、“若い年代で認知症となった場合ほど、特に初期に自動車事故に注意が必要である”と言えそうです。
若い年代では活動性も高く、対策も立てづらい傾向があると思われました。論文中では、本人が歩行者である場合でも危険性が高いことも言及されており、全体として移動に見守りが必要であると考えられました。
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