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執筆者の写真もりさわメンタルクリニック

若年者の境界性パーソナリティ障害に特化した心理療法は一般的な関わりよりも効果があるか?


境界性パーソナリティ障害(BPD)に対しては、有効性の証拠がある治療が少ないのが現状です。


今回は若年者の境界性パーソナリティ障害(BPD)に向けた心理療法Helping Young People Early (HYPE) dedicated BPD service modelの効果について、一般的な援助との差異を調べた研究をご紹介します。


境界性パーソナリティ障害の若年者に対する早期介入3種の効果


オーストラリアにおける研究で、15~25歳の境界性パーソナリティ障害(BPD)と診断されている男女(男性24人、女性104人 平均19.1歳)が対象となりました。


特に若年者BPDの早期介入に向けたチームによる統合的援助を含むモデル(限定された時間で行う認知分析を含む)Helping Young People Early (HYPE) dedicated BPD service modelと一般的な精神疾患を持つ若年者に対する援助とを比較しています。


結果として、以下の内容が示されました。

①若者のBPD早期介入に特化したモデルでは、出席率やプログラムを完了する割合が高くなっていました。

②本来測定したかった社会的機能においては、明らかな差異を認めませんでした。


つまり、“若年者BPDの早期介入のために特化したモデルでも、明らかにBPDに対して大きな効果を認めるわけではない”と言えそうです。


今回の結果としては、社会的な機能において明らかな差異を認めませんでしたが、境界性パーソナリティ障害(BPD)の心理療法は様々な面で困難を含んでいて、今回検証されているようなチームで取り組む統合的な方法が必要であると思われました。

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