高血圧は出血や梗塞を引き起こすような血管性疾患のリスクとなり、少なくとも一部の認知症に大きな影響を与えることが知られています。
今回は、血圧の絶対的な数値ではなく、姿勢による変動(起立性低血圧)や日毎の変動と認知症との関連を調べた研究です。
収縮期血圧の姿勢による変化は認知症発症リスクと関連する
研究開始時で平均73歳の高齢者2,131人(53%が女性)が研究の対象となりました。
訪問を継続して12年間に渡る経過観察を行ったところ、以下のような内容が示されました。
①起立によって15mmHg以上の収縮期血圧低下のある起立性低血圧があった場合は、認知症発症のリスクが高く(1.37倍)となっていた(拡張期血圧を比較した起立性低血圧ではそのようなリスク上昇はなかった)。
②訪問ごとの収縮期血圧の変動が大きい場合(変動幅の大きなグループ)では、認知症発症のリスクが高くなっていた(1.35倍)。
つまり、姿勢や日ごとの血圧変動は認知症のリスクになり得るということのようです。
血圧を測定するときには、絶対的な数値だけではなく、経過の中での変動にも気を配る必要性を感じました。
#認知症
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