血液中の物質でうつ病と不安障害を見分けられるか?
- もりさわメンタルクリニック
- 2023年9月7日
- 読了時間: 2分

うつ病と不安障害(様々な不安を基調とする障害)は、両方とも不安と抑うつが混在し、見分けにくいことがあります。
今回は、うつ病と不安障害を、血液中の物質で見分けられないかを調べた結果(学会発表:33rd European College of Neuropsychopharmacology (ECNP) Congress: Abstract 721. Presented September 12, 2020)をご紹介します。
オランダで行われているうつ病と不安に関する研究 Netherlands Study of Depression and Anxiety (NESDA)のデータを用いた研究です。
寛解したうつ病(and/ or)不安障害897人、現在の不安障害548人、現在のうつ病304人、不安とうつの合併531人、健常者634人を対象として、血液中の物質40種について相違を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・うつ病と健常対照群では中性脂肪やオメガ3脂肪酸等7種の物質で明らかなの相違がありました。
・不安を合併した場合にも同様の傾向がありました(明らかな相違はメガ3脂肪酸等、その一部)。
・これらの物質とうつの程度との相関を認めました。不安については糖タンパクの一種(glycoprotein acetyl)が関連を示していました。
・寛解しているグループは健常対照群の差異は明らかではありませんでした。
要約:『うつ病や不安では血液中の物質で健常者とは相違があり、不安とうつの間でも物質濃度の違いを認める可能性がある』
様々な物質で相違が認められ、どのようなしくみが背景にあるのか興味が湧く内容でした。
もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/
rTMS治療:
YouTubeチャンネル(オンライン講座):https://www.youtube.com/channel/UCd8RS50q_Ol_x82AL9hhziQ
Comments