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血液中の物質でうつ病と不安障害を見分けられるか?


うつ病と不安障害(様々な不安を基調とする障害)は、両方とも不安と抑うつが混在し、見分けにくいことがあります。


今回は、うつ病と不安障害を、血液中の物質で見分けられないかを調べた結果(学会発表:33rd European College of Neuropsychopharmacology (ECNP) Congress: Abstract 721. Presented September 12, 2020)をご紹介します。


オランダで行われているうつ病と不安に関する研究 Netherlands Study of Depression and Anxiety (NESDA)のデータを用いた研究です。


寛解したうつ病(and/ or)不安障害897人、現在の不安障害548人、現在のうつ病304人、不安とうつの合併531人、健常者634人を対象として、血液中の物質40種について相違を調べました。


結果として、以下の内容が示されました。


・うつ病と健常対照群では中性脂肪やオメガ3脂肪酸等7種の物質で明らかなの相違がありました。


・不安を合併した場合にも同様の傾向がありました(明らかな相違はメガ3脂肪酸等、その一部)。


・これらの物質とうつの程度との相関を認めました。不安については糖タンパクの一種(glycoprotein acetyl)が関連を示していました。


・寛解しているグループは健常対照群の差異は明らかではありませんでした。


要約:『うつ病や不安では血液中の物質で健常者とは相違があり、不安とうつの間でも物質濃度の違いを認める可能性がある』


様々な物質で相違が認められ、どのようなしくみが背景にあるのか興味が湧く内容でした。



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