聴覚の低下が認知症の発症と関連することが指摘されてきました。
今回は、大規模なデータを用いて、聴覚低下と聴覚補助の使用が認知症発症にどのような影響を与えるのかを調べた研究をご紹介します。
Association between hearing aid use and all-cause and cause-specific dementia: an analysis of the UK Biobank cohort
イギリスの大規模な生体データ(UK Biobank)を用いた研究で、40~69歳の約40万人を対象としています。
結果として、以下の内容が示されました。
・聴覚の低下がある場合を、聴覚低下がない場合と比較したところ、認知症全体の発症が多くなっていました(ハザード比1.42倍)。
・聴覚低下があっても、聴覚補助を使用している場合には、認知症の増加は明らかではありませんでした(ハザード比1.04倍)。
・今回採用された方法によると、聴覚補助の使用により認知症例の8%を防ぐことができると推計されました。
要約:『聴覚低下の認知症発症への影響は大きいが、補聴器などの聴覚補助により、少なくとも一部は予防することが可能である』
使用に関する心理的抵抗や経済的負担があるかもしれませんが、認知能力低下を防ぐ視点からは聴覚補助の効果は大きいと思われました。
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