◎要約:『視覚障害がある場合、自死に関連する事象(自死、企図、希死念慮)が増加する可能性がある』
以前に斜視と精神疾患のリスクについてお伝えしましたが、身体的な特徴・疾患と精神衛生との関連が様々な側面から議論されてきました。
今回は、視覚障害と自死のリスクについて調べた研究のまとめ(メタ・アナリシス)をご紹介します。
Visual Impairment and Suicide Risk
A Systematic Review and Meta-Analysis
視覚障害と自死のリスク
視覚障害と自死関連事象のリスクに関する31本の研究(5,692,769人の参加者、平均48.4歳、52%女性)が分析の対象となりました。
結果として、以下の内容が示されました。
・自死企図(17本の研究)については、リスク(オッズ比)は2.49倍となっていました。
・希死念慮(21本の研究)については、 リスク(オッズ比)は2.01倍となっていました。
・自死(8本の研究)については、リスク(オッズ比)は1.89倍となっていました。
様々な随伴(介在)する要素の存在が考えられますが、生活に大きな影響を与える障害(impairment)が存在する場合には、自死に関連する精神状態への配慮が必要であると思われました。
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