現実認識の困難さ等、精神病性の疾患には触法行為につながる症状としての危険因子があります。
今回は、触法行為があった後に、早期に精神保健サービスの支援を受けることができたかどうかで、再犯率にどのような影響があるのか調べた研究をご紹介します。
精神病性疾患における触法行為後の早期支援と再犯
触法行為のあった精神病性疾患への罹患者7,030人(平均34歳、4933人が男性)が対照となりました。
触法行為の後、1ヶ月以内に精神保健サービスへの接触があったどうかで、再犯率がどのように異なるのか、2年間経過を観察しました。
結果として、精神保健への接触があった場合のほうが、再犯のリスクが低下(0.83倍)しており、5回以上の接触があった場合にはさらに大きく低下(0.71倍)となっていました。
随伴する他の要因(交絡因子)を調整した後での結果ですが、これを純粋に精神保健への相談がもたらした結果と見るか微妙なところであると思われます。
しかし、他の危険因子として挙げられた離婚や家族との離別等、孤独をもたらす要素の存在も考えると、相談できる相手がいることが非常に重要だと感じました。
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