※度々の変更で申し訳ないのですが、2025年1月より更新(送信)頻度を週に1回(日曜日)とさせてください。
◎要約:『認知トレーニングと経頭蓋直流電気刺激の併用で、認知能力低下を抑制できるかもしれない』
今回は、高齢期においてうつ病あるいは軽度認知障害があるときに、認知矯正法(cognitive remediation)と直流電流を行った結果について検証した研究をご紹介します。
Slowing Cognitive Decline in Major Depressive Disorder and Mild Cognitive Impairmen
tA Randomized Clinical Trial
うつ病と軽度認知障害における認知能力低下の抑制
カナダにおける研究で、60歳以上のうつ病か軽度認知障害のある375人(平均72.2歳、62%女性)が研究に参加しました。
認知矯正法: cognitive remediation (CR)と呼ばれる注意力や作動記憶等の認知能力に関するトレーニングに追加して経頭蓋直流電気刺激刺激: transcranial direct current stimulation (tDCS)を行ったグループ(週に5日、8週間)と、トレーニングと電気刺激ともに偽刺激だったグループを平均4年間の経過で比較しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・CR+tDCSのグループでは認知能力の速やかな改善はありませんでしたが、遂行能力、言語記憶等に関して、認知能力低下が抑制されていました。
・認知能力低下の抑制はうつ病を伴っている場合の方が(伴っていない軽度認知障害よりも)大きくなっていました。
うつ病が認知能力低下の危険因子であることは以前から指摘されていますが、今回の結果は主としてうつ病(やアルツハイマー病の遺伝的危険因子)を伴っている場合に明らかな効果があるという内容でした。
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