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執筆者の写真もりさわメンタルクリニック

認知機能から見た適度な睡眠時間


長く眠ったのに昼間眠たかったり、作業が早くできなかったりすることはないでしょうか?


眠りの質など、様々な原因が考えられますが、眠りは短すぎても、長すぎても良くないようです。


短時間・長時間睡眠とアミロイドβ・認知機能の関連


抗体を用いた治療のための研究データを用いた調査で、認知機能が正常の4,417人(平均71.3歳)が対象となりました。


自己申告での睡眠時間によって6時間以下のグループ、6~8時間のグループ、9時間以上のグループに分けて、アルツハイマー病の目印となる物質(アミロイドβ)の量との関連を調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①睡眠時間の短さとアミロイドβの多さには因果関係を推定させる用量依存の関係がありました。さらに記憶力の領域で最も大きく認知機能が低下していました。

②また、短い睡眠と長い睡眠の両方がうつ症状や昼間の眠気、肥満と関連し、長時間の睡眠は複数の領域における遂行能力の低下に関連していました。


つまり、“短い睡眠も長い睡眠も、両方とも認知機能の低下等の高齢期の精神機能低下に関係しているかもしれない”ということです。


この結果は、因果関係が逆である(うつ症状があるから長く眠る等)可能性もあるため、睡眠が大きな原因であると断定することは難しいと思われます。


しかし、(6時間以下に)睡眠が短くなったり、(9時間以上の)長い睡眠が必要になった時には、何らかの精神機能的兆候である可能性が考えられました。

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