有酸素運動や瞑想、ヨガ、音楽等、様々な活動や趣味が精神状態に良い影響を与えることが指摘されています。
今回はHorticulture therapy(以下、園芸療法と表記)が認知症の無気力を改善するか調べた研究をご紹介します。
園芸療法による認知症高齢者の無気力への効果
高齢者施設に居住する認知症に罹患した32人(平均84.5歳)が研究の対象となりました。
園芸療法を行うグループと他の活動(体操やパズル等)を行うグループに分けて、無気力や認知機能について調べました。
活動を開始して10週で、以下の内容が示されました。
①園芸療法を行ったグループのほうが無気力症状が軽くなっていました(AES-Iという尺度の平均で、園芸47.5 vs 他の活動55.5 )。
②園芸療法を行ったグループのほうが認知機能が高くなっていました (MMSEという尺度の平均で 、園芸10.5 vs 他の活動7.0 )。
しかし、①と②の両方とも、さらに3ヶ月後では差が見られなくなっていました。
つまり、“園芸をやっている間は、他の活動よりも気力が出て、認知機能が高くなる”かもしれません。
少数での結果であり、他の要因が関与した可能性もありますが、園芸が他の活動とは異なった効果を持つ可能性を感じました。
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