認知症(FTD)と他の精神疾患を見分ける方法について


認知症には様々なタイプがあり、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症、血管性認知症が割合としても多く、よく知られています。


また、比較的まれなタイプとして前頭側頭葉型認知症(FTD)があり、アルツハイマー型よりも脳の前方が萎縮し、人格変化や他の多くの精神症状を伴うことで有名です。


このFTDの精神症状は非常に多彩であるため、特に認知能力低下が少ない初期には、うつや強迫性障害、老年期の精神病性障害等と見分けることが難しく、認知症としての診断が遅れることがあります。


今回は、このFTDを他の精神疾患から見分ける方法について、過去の論文を振り返り、推奨される検査について検討した内容をご紹介します。


Recommendations to distinguish behavioural variant frontotemporal dementia from psychiatric disorders

行動障害が顕著な前頭側頭葉型認知症の亜型と他の精神障害を鑑別する際の推奨内容


過去の前頭側頭葉型認知症(FTD)について、病歴の聴取方法、精神症状の評価、臨床的評価スケール、内科的・神経学的身体所見、臨床的認知機能検査、神経心理学的評価、社会的認知機能、構造的画像検査、機能的画像検査、脳脊髄液検査、遺伝学的検査に関する話題を検索しました。


以上の検索によって同定された手法について、前頭側頭葉型認知症に関する協会員のメンバー(The Neuropsychiatric International Consortium for Frontotemporal Dementia )に問い、85%以上の推奨が得られた内容を抽出しました。


以下のような内容が推奨されました。

・少なくとも1種類の社会的認知機能を測定する検査を行うべきである。

・3DのT1強調画像を用いた萎縮に関する評価スケールに沿った評価、可能なら脳体積に関する分析的評価が望ましい。

・18FDG-PET(機能的画像検査)は正常だった場合にFTDの除外に役立つ。

・血清中あるいは脳脊髄液中のNFL(neurofilament light chain )の測定も他の精神疾患からの鑑別に役立つ。

・もし、前頭側頭葉型認知症の亜型が強く疑われるなら、遺伝学的検査(C9orf72の変異)も有用である。

以上のように、いずれも専門の特定機能病院などの施設で可能な検査が推奨内容として挙がっています。


しかし、特に診療所レベルでも詳細な病歴の聴取によって、他の精神疾患からの鑑別を丁寧に行い、次の段階の検査が必要か見極める必要性を感じました。


#認知症

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