◎要約:『子ども時代の運動はその後の脳の発達に(部分的に)影響を与える可能性がある』
認知症の予防を含め、運動をした方が脳に良い影響があることは様々なかたちで指摘されてきました。
今回は、10歳時における運動のレベルがどのようにその後の脳の発達に影響を与えるのかを調べた研究をご紹介します。
Levels of Physical Activity at Age 10 Years and Brain Morphology Changes From Ages 10 to 14 Years
10歳時の身体活動レベルと10~14歳の脳の形態変化
オランダにおける研究で、研究開始時点で10歳の1,088人(52%が女性)が対象となりました。
結果として、以下の内容が示されました。
・複数の情報元(子どもと保護者)から得た身体活動レベルと扁桃体(情動、記憶にとって重要と言われている部位)の体積には正の相関(片方が大きいともう一方も大きい関係)がありました。
・子どもからの情報のみで、身体活動レベルと海馬(記憶において主要な役割を果たす部位)の体積に正の相関がありました。
・身体活動レベルと脳の構造全体とは明らかな関連を示していませんでした。
特に子ども時代に運動の習慣を持つことは、身体のみではなく、その後の精神的健康にも影響を与える可能性が考えられました。
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