軽度認知障害は正常な認知能力に逆戻りすることがあり得る


自分で物忘れを自覚した時に、トレーニングをしたり、生活習慣を改善することで、元の認知能力に戻ることはできないかと考える場合は多いと思います。


今回は、軽度の認知障害なら元の認知能力に戻るのか、認知能力回復に有利な要素とともに調べた研究をご紹介します。


Cognitive Reserve and Mild Cognitive Impairment: Predictors and Rates of Reversion to Intact Cognition vs Progression to Dementia

認知能力保持と軽度認知障害: 正常認知への回復と認知症への進行を予測する因子


75歳以上の修道女を対象とした研究で、619人が参加し、そのうち472人が研究期間中に軽度認知障害と診断されました。


上記の対象者について、正常認知への回復率、ApoE、回復に関連する予測因子について調べました。


結果として、以下のことが示されました。

①軽度認知障害と診断された472人のうち30%にあたる143人では、少なくとも1つ以上の領域で認知能力の回復を認めました。

②120人では認知症への進行を認めませんでした(平均観察期間8.6年)。

③認知能力の回復率に関連していた要素として、高い国語力1.83倍、(使う言葉の)概念含有率3.93倍、文法的複雑さ5.78倍がありました。


つまり、“軽度認知障害では、3分の1程度で部分的な認知能力の回復があり、高い言語能力等が有利な要素である”と言えるかもしれません。


高齢期の認知能力低下への対策は、進行抑制が主であり、回復するというイメージがあまりないかもしれませんが、背景となる要素によっては、認知症へ進行せず回復する部分があるようです。

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