◎要約:『近隣の緑地資源や個人的な耐性(レジリエンス)が、心的外傷体験に対する反応と関連する』
今回は、居住地域の緑地資源とPTSDからの回復過程の関連について調べた研究をご紹介します。
近隣の緑地資源とPTSDからの回復、報酬に対する反応性
Neighborhood Resources Associated With Psychological Trajectories and Neural Reactivity to Reward After Trauma
アメリカにおける研究で、心的外傷後ストレス障害(PTSD)罹患した2,597人(平均36.5歳、女性63%)が対象となりました。
衛星からの画像から確認される近隣の緑地資源、本人からの聴取で確認される個人的な耐性(Connor-Davidson Resilience Scaleという尺度の結果)と心的外傷体験に対する6つの経過(無症状、高度症状継続、中度症状継続、緩徐回復、急速回復、遅発性)、報酬課題に対する反応性との関連性を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・近隣の緑地資源と個人的耐性の大きさは、上記の経過のうち「無症状」の割合が多い傾向と関連がありました。
・近隣の緑地資源が多い場合には、扁桃体の報酬に対する反応性が大きくなっていました(PTSD症状との関連は不明)。
居住地域の緑地資源とPTSD症状の経過との関連が興味深いと思われる結果でした。
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