◎要約:『退院後早期に自死する場合には、外来の受診が少ない傾向がある』
今回は、精神科医療施設を退院した後の自死で、どのような経過の特徴があるのか調べた研究をご紹介します。
初期診療の受診、治療管理、精神医療施設退院後の自死
Primary care contact, clinical management and suicide risk following discharge from inpatient mental health care
イギリスにおける研究で2001~2019年に精神科医療施設退院後1年以内に発生した自死613人分の経過を調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・93人(15.4%)が退院後2週間以内に死亡していました。
・同じ時期に退院した生存者と比較した時、自死した場合には2週間以内の初期診療受診が少なくなっていました(調整後オッズ比:0.61倍)。
・自死した場合には、それ以前の1週間以内の受診が増加していました(調整後オッズ比:1.71倍)。
・入院施設と退院後の受診施設(初期診療施設)との連絡は稀であり、治療の連続性に関するギャップが存在しました。
・2週間以内に自死した場合の40%で、その期間内の初期診療受診がありました。
入院施設と退院後の受診施設との連携により、治療の連続性を保つ必要性を感じる内容でした。
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