◎要約:『がん性疼痛であるか否かに関わらず、運動習慣があると痛みは軽減されるかもしれない』
運動を習慣的に行っている人のほうが、痛みが軽減されるという指摘があります。
今回は、がんを経験した人も含めて、運動習慣の有無によって痛みの感じ方がどのように異なるのかを調べた研究をご紹介します。
Physical activity and pain in people with and without cancer
がんと生活習慣等に関する研究の対象集団(the Cancer Prevention Study II Nutrition Cohort)のうち、がんの病歴のない51,439人と、がんの病歴のある10,651人を調査しました。
運動習慣の有無と痛みの感じ方、鎮痛剤の使用について調べています。
結果として、以下のような内容が示されました。
・がんの病歴の有無に関わらず、運動の習慣(週に150分以上)があると痛みの感じ方が少なくなっていました(痛みの報告が16%低下していました)。
・痛みの軽減は、元の痛みが中等度以上の人の方が大きく、運動量が多いほうが痛みが少なくなっていました。
・鎮痛剤の使用については、運動の有無によって明らかな違いはありませんでした。
痛みがあると体を動かしにくいということは考えられますが、今回の結果をみる限りでは、痛みが強くても負荷を調整しながら何らかの運動を取り入れるほうが、痛みは軽減されるようです。
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