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運動は精神病のリスクを低下させるか?


運動の習慣は様々な精神疾患に対して予防的に作用することが指摘されています。


今回はかなり以前の研究(2018年)ではありますが、精神病の高リスクにおいて運動の習慣がどのように作用するのか調べた研究をご紹介します。


A Supervised Exercise Intervention for Youth at Risk for Psychosis: An Open-Label Pilot Study

精神病リスクの高い若者に対する運動療法の効果


診断基準を満たさなくても時々精神病性の症状を認める等、一定の基準を満たす場合に精神病の高リスク(Ultra High Risk: UHR)と呼ぶ場合があります。


今回はこのような高リスクの若者12人を対象に運動療法を行い、経過を調べました。


週に2~3回、最大酸素摂取量の65~85%にあたる強度の運動を指導付きで行いました。


結果として、幻覚・妄想などの陽性症状や、自閉・感情鈍麻(感情変化の減少)などの陰性症状が軽減する等、有効であることを示唆する結果が得られました。


その他にも、認知機能の一部の領域や海馬と後頭葉の機能的連絡が改善する等の所見がありました。


ごく少数対象とした比較対照もないパイロット的な研究なので、断定的なことは言えないと思われますが、運動療法が精神病性疾患に対して有効である可能性を感じました。

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