今までの研究では、中年期における運動習慣、高い活動性は老年期の認知機能を保つ効果が期待できるという結果でした。
今回の研究は、これが本当ではないかもしれないという内容です。
中年女性における身体的活動と認知機能の経時的評価
1718人の女性(開始時の平均年齢45.7歳)が研究の対象なりました。
継続的に約12年間、身体的活動と認知機能に関する経過観察を行いました。
結果としては、高齢になった時点での活動性が高いほうが認知機能も高い(逆に言うと、認知機能が高いほうが活動性が高い)という結果は当たり前として、比較的若い段階での身体的活動は認知機能に影響を与えていませんでした。
つまり、“中年期に運動してもその後の長期的認知機能に影響を与えない(特に良い効果はない)”ということになります。
論文中では、今までの研究は、例えば「認知機能が低下してくると運動しなくなる」ような、逆の因果関係をみた結果、誤った結論に至ったのではないかと推定しています。
これで、完全に運動の認知機能への影響について決着がついたわけではありませんが、少なくとも運動の認知機能への長期的効果に疑いの余地が出てきました。
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