不眠による心臓血管疾患による死亡のリスクがしてきされることがあります。
また、活動性の低下(身体的な運動の不足)もリスク要因の一つと考えられてきました。
今回は、イギリスの大規模なデータ(UK Biobank)に基づいて、不眠と運動不足、身体疾患の関連を調べた研究をご紹介します。
睡眠・運動と身体疾患による死亡の関連
380,055人(平均55.9歳 55%が女性)が対象となり、平均11年間の経過を調べました。
不眠に関するスコアと運動量に関するグループ分け(高い、中間、低い、全くしない)を行い、全体の死亡、心臓血管疾患、全てのがん、肺がんのリスクに関する経過を調べました。
結果として以下の内容が示されました。
①不眠のスコアと全体の死亡率、心臓血管疾患の死亡率には用量依存(一方が多ければもう一方も多くなるという傾向)の関連を認めました。
②不眠の中では、不眠+低運動のグループは、不眠+高運動のグループに比べて、全体の死亡リスクが1.57倍、心臓血管疾患による死亡1.67倍、がん全体1.45倍、肺がん1.91倍となっていました。
つまり、“不眠は死亡率の増加につながるが、運動を適切に行うことでリスクが低くなる可能性がある”ということのようです。
様々な他の要因の関連も考えられるので一概に言えないかもしれませんが、運動をした方が、他の不利な条件があったとしても様々な疾患による死亡リスクを低下させる可能性が考えられました。
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