統合失調症等の精神病性疾患について都市生活がリスク上昇に影響する点が指摘されてきました。
今回は、以前の論文(2018)になりますが、開発途上国における都市生活を影響を調べた研究をご紹介します。
開発途上国における精神病性疾患と都市生活との関連
42の開発途上国に住む、215,682人(50.8%が女性 平均37.9歳)が調査の対象となりました。
WHOの提唱する構造化された精神病性症状のスクリーニング尺度での結果や過去の精神病性症状のエピソードの有無と、住んでいる地域の環境(都市部と非都市部)の関連が調べられました。
結果として、精神病性障害の有無と住んでいる地域の都市部 or 非都市部は明らかな関連を示していませんでした(例:相対的リスクの目安として都市生活のオッズ比は、精神病性症状の経験0.99倍、精神病性障害0.89倍)
つまり、“開発途上国については、都市部での生活は統合失調症等の精神病性障害の割合を増加させない”と言えそうです。
都市生活の様々な要素が精神病性障害のリスクになると考えられていますが、開発途上国においては他の要素(経済的な環境や援助・施設の充実等)がより大きく影響するのかもしれません。
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