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集中治療室に入院した子どもの精神発達について


長い間子どもが集中治療室に入院せざるを得なくなったときに、その後の発達について心配される親御さんもいらっしゃると思われます。


今回は、脳への障害以外の理由で集中治療室での治療を受けた後に、どのような精神発達上の影響が出るのか調べた複数研究のまとめ(メタアナリシス)をご紹介します。


小児集中治療室に入院後の長期的精神発達の評価


集中治療室に入院した子ども(18歳以下)の発達や精神状態について調べた7,786人(平均7.3歳)の子どもを対象者として含む31本の論文(ランダム化臨床試験5本と観察研究26本)が分析に含まれました。


結果として、以下のことが示されました。

①全体として5.3~88%(研究によって変動、以下の結果も同様)の子どもが一つ以上の精神疾患に罹患していました。

②PTSD(心的外傷後ストレス障害)に関しては10.0~30.4%の発症を認めました。

③3~5年の経過観察で、知能は全体的に低くなっていました(入院歴ありIQ88.54 vs 入院歴なし103.18)。

④集中治療室への入院があった場合には、感情や行動上の問題がより多く発生していました。


つまり、“集中治療室への入院があった場合には、その後の知能低下や精神状態に問題が生じる割合が増加するかもしれない”と言えそうです。


しかし、これは重篤身体的な疾患の間接的影響や、全体的な発達に影響を与える別の背景が当初から存在していた可能性が考えられました。

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