海外でも専門的な心理療法は経済的な負担が大きく、専門家の数も少ないために相談の機会が得られにくいという状況があります。
今回は、非専門家による心理的な内容の集団教育がうつや不安に有効か調べた研究をご紹介します。
うつ病や不安に対するシャミリの非専門家による介入と勉強法の講習の比較
ケニア(若者の心理教育に力を入れているShamiri)の研究で、うつや不安を伴う13~18歳の413人(平均15.5歳)が研究の対象となりました。
205人が非専門家による心理教育(成長に関する考え方・感謝・価値の肯定を内容として含む)、208人が勉強法の研修に割り当てられ、週に60分、4週間の研修に参加しました。
結果として、両方の研修で不安とうつが軽減していましたが、心理教育のほうが症状の改善がより大きくなっていました。さらに7ヶ月後まで経過を観察しましたが、この効果は維持されていました。
つまり、“専門家によるものでなくても、心理的知識を含む研修は、通常の研修よりもうつや不安に対して高い改善効果をもたらす”可能性が示されました。
心理的教育の内容に関する検討は必要かもしれませんが、必ずしも実施する担当者が専門家である必要性はないのかもしれません。
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