◎要約:『非専門家による電話を介した心理療法でも孤独を軽減する効果があり、特に日常会話的関わりよりは行動活性化やマインドフルネスの要素を含んでいる方が効果が高かった』
今回はパンデミック期間中に行われた専門家ではない人々による電話での心理療法について調べた研究をご紹介します。
非専門家提供の電話を介した行動活性化の有効性
Layperson-Delivered Telephone-Based Behavioral Activation Among Low-Income Older Adults During the COVID-19 PandemicThe HEAL-HOA Randomized Clinical Trial
香港における研究で、経済的困窮のある高齢者1,151人(平均76.6歳、女性73.2%)を対象としています。
パンデミックの期間中に、非専門家の高齢者148人を訓練し、電話を介して心理療法を週に2回30分、4週間提供しました。
心理療法の種類として、行動活性化、マインドフルネス、日常会話的関わり( befriending)を行うグループに分けて、効果を比較しました。
結果として、心理療法の種類や評価時期によって効果に違いがありましたが、全体として行動活性化とマインドフルネスが、日常会話的関わりよりも孤独の評価スケール(UCLA Loneliness Scale 、 De Jong Gierveld Loneliness Scale scores)で明らかに症状軽減さを認めました。
比較的短期間の訓練を受けた非専門家による提供でも、一定の心理療法的要素がある関わりのほうが効果が高いことが確認されていました。
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