飲酒によるがんのリスク上昇については指摘がありますが、禁酒や減酒がどのような効果をもたらすのか詳しいことは知られていません。
今回は、禁酒や減酒といったアルコール関連行動の変化がどのようにがんの発症リスク影響するのか調べた研究をご紹介します。
Association Between Changes in Alcohol Consumption and Cancer Risk
アルコール消費の変化とがんのリスク
韓国における研究で、健診(national health screening)を受けた4,513,746人(平均53.6歳、51.5%が男性)が対象となりました。
飲酒量について、なし (0 g/d)、 少量 (<15 g/d)、 中量 (15-29.9 g/d)、 多量 (≥30 g/d) に分けました。また、アルコール消費行動については、飲酒なし、飲酒継続、飲酒増加、禁酒、減酒に分けて、がん(食道、大腸、肝臓、女性の乳がん等)の発症リスクへの影響を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・飲酒量を多くするとがんの発症リスクが高くなることが示されました(リスクの目安であるハザード比と呼ばれる数値は、なし→少量の変化で1.03倍、なし→中量で1.10倍、なし→多量で1.34倍)。
・禁酒すると一時的にがんの発症リスクが高くなることも示されていましたが、禁酒を継続した場合にはリスクが低下していました(アルコールに関連するがんについてのリスクは、少量からの中止で0.96倍に変化。その他、減酒では多量→少量で0.92倍に変化)。
要約:『アルコール摂取を増加させるとがんの発症リスクが増加し、禁酒や減酒ではリスク減少につながる』
禁酒で一時的にがんの発症リスクが高まることは意外でしたが、長期的にみると全体的にがんの発症は少なくなるようです。
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