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執筆者の写真もりさわメンタルクリニック

高ケトン食で認知能力の改善を図れるか?


糖質を制限する高ケトン食には批判も存在しますが、今回は高齢者に対して、高ケトンを実践してもらい、認知能力に対する影響を調べた研究をご紹介します。


軽度認知障害と初期アルツハイマー病に対する修正型アトキンス・ダイエット実施可能性と有効性


軽度認知障害あるいは初期アルツハイマー病の高齢者(平均71歳)が対象となり、当初は27人の参加希望者がありましたが、食事制限が厳しく、全体で14人まで減ってしまいました。


食事内容については、高ケトン食(アトキンス・・ダイエット)は、カロリー制限はないものの、糖質を20mg/日(通常は150mg程度)まで制限し、主なエネルギー源として脂肪を利用することになります。


比較の対象として、認知症の予防としては望ましいと言われる地中海式ダイエットに近いNational Institute of Aging (NIA) dietが用いられました。こちらは糖質を制限せずに果実や野菜を豊富に摂取する内容となっていました。


結果として、高ケトン食の方が検査における総得点の15%の改善を認める結果となり、改善を認めなかったNIAとは(少数であり、明らかとは言いにくい差ですが)違いが認められました。


非常に厳しい内容の食事変更であり、認知症に罹患した人について実施可能なのかは疑問ですが、脳における糖の利用に障害があると言われている認知症において、理にかなった選択肢となり得るのかもしれません。

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